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XTIAは世界で初めて光コム技術の産業応用に成功しました

パルス波を用いた距離の測定で最もシンプルな方式は飛行時間測定法(Time Of Flight;TOF)法です。パルスレーザーを物体に照射し、その表面で反射した光が戻ってくる時間を測ることによって物体までの距離を求めます。

一般的にこの手法は精度が非常に低いという問題があります。これは例えば、数μmオーダーの距離を正確に測定しようとすると、フェムト秒スケール(1000兆分の1秒スケール)で飛行時間を精密に測定する必要が生じる一方で、それに必要な時間分解能を持つ検出器がないという技術的な制約によるものです。TOF法の限界は検出器であり、実用的な測定器に採用するには難しい方式でした。

それに対し、興梠は光コムで距離をより精度よく測定するために、光の干渉によるビート現象を利用した技術を開発しました。これにより反射した光の情報量を落とさずに時間軸を拡大し、市販の検出器で検出可能な干渉信号を得ることに成功したのです。その結果、TOF法の5万倍の精度を実現しました。

この光コムによる距離測定の技術を、さらに次元を拡張し、立体の形状を測定する3次元計測に用いたのが現在のXTIAの光コムセンサーの原型となりました。同軸光学系で精度の高い3次元計測を、実際の製造現場へ導入できるように、光コムレーザー、光学系、電子回路、機械設計、ソフトウェアなど、必要なすべての技術で実用開発を進め、2016年、光コム技術を世界で初めて産業応用することに成功したのです。これが、XTIAの提供する光コム3次元センサー、3次元検査システムです。

Effect

光コム技術のもたらす効果

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テキスト1

テキスト2

Optcomb

光コム技術とは

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光コムは、周波数スペクトルが等間隔に歯が並んだ櫛(くし)のような形状をしていることから、光の櫛(Optical frequency comb;Optocomb)と呼ばれるようになった特殊なレーザーです。周波数と時間を測る「世界で最も精度の高いものさし」ともいわれています。

光コムの概念はXTIA現取締役の興梠が、 1993年に発見しました。興梠は光コムの第一人者として研究を続ける中、2005年ノーベル物理学賞を受賞したジョン・ホール氏とテオドール・ヘンシュ氏の研究(その中で光コムは非常に重要な役割を果たしていますが)において、光コム技術の面から貢献しました。

光コムは単色レーザーとしての性質と同時に複数周波数(波長)を含んだ白色光の性質を持つような特殊な光となります。
そのため、下記のような特徴を持ちます。

-多数の周波数の光が含まれている
-各周波数の光は、スペクトル幅の狭いレーザー
-各レーザーの周波数間隔が全て同じ
-各レーザー周波数の位相がそろっている

その光コムの波形は、上図に示したように、非常に短い1ps(ピコ秒:1兆分の1秒)以下の幅、数十ps間隔の周期的な鋭いパルス波ということもできます。興梠は、光コムのこれらの性質に着目し、高精度に時間を測定できるのであれば、高精度な距離測定に応用できる可能性があると考えました。

光コムとは-_説明図 1

Reason

XTIAが選ばれる4つの理由

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01

複雑形状に対応

上述の通り、光コム3次元検査器は同軸光学系であるため、他の非接触検査方式と異なり、凹凸のある複雑な形状でも死角のない3次元プロファイルを得ることができます。 加えて、長いワーキングディスタンス、焦点深度の範囲の広さが、自動車部品などで多い中型・大型の部品の検査を容易にします。

伏線形状に対応

02

ミクロン単位の計測

光コム3次元計測は特に優れたz分解能/計測精度を持ち、数ミクロン単位の微小な欠陥を精度よく測定することが可能です。これにより、キズやバリといった立体的な欠陥を定量評価することが可能となります。

03

外乱光に強い

製造現場では完全に防ぐことが難しい外乱光ですが、光コム3次元検査器はその影響を受けずに3次元プロファイルを得ることができます。特に光学カメラなどでの検査画像と比較すると、外乱光に強いという特長が明らかです。

04

高速自動化

光コム計測技術では高速な信号処理ユニットを搭載しており、最速で毎秒50万点の計測が可能です。高速な自動検査が可能となります。

Solution

代表的なソリューション

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Superiority

既存技術との優位性

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光コム法
白色干渉法 光切断法
ワーキングディスタンス 長い 非常に短い 長い
凹凸形状部品の検査 適している 適していない 適している
プロファイル 欠けのないプロファイル 小型部品のみ 死角が生じる
比較軸